あの世界遺産は本当にすごいのか? 世界初、世界遺産のランク付けをしてみました!
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世界遺産の登録プロセス・登録基準は、じつはあやふやです。 いちおう、ユネスコによって登録基準が示されていますが、それは登録決定の最終段階での話です。
実際は、その国の政府から推薦されなければならないのですが、推薦の基準は、国によってバラバラです。
たとえば、エジプトのピラミッドは世界遺産ですが、 日本の仁徳天皇陵は違います。 どちらも古代の陵墓という点で、共通していますし、その歴史的価値が高いのも、同じです。
しかし、エジプトならば推薦されるのに、日本では推薦されないのです。
日本国内をみても、基準ははっきりしません。 なぜ鎌倉よりも日光が先に登録されたのか? 姫路城は登録されて彦根城が暫定リストに入っているのに、なぜ松本城は入っていないのか?
地元自治体が政府に要請し、 政府からユネスコに推薦されたものだけが世界遺産になっているのです。 前出の仁徳天皇陵も、天皇の陵墓であるかぎり、日本政府は絶対に推薦しないでしょう。
結局、政治的な理由なのです。
とくに、近年の日本の推薦状況は、政治色の濃いものでした。 世界遺産の推薦には、政府の暫定リストに掲載されることが重要なのですが、1999年以降の小泉政権下では、有力政治家の地元ばかりが登録されていったのです。具体的には、石見銀山、紀伊山地、平泉、知床と続いたのですが、このうち、石見銀山は青木幹雄の選挙区、紀伊山地は二階俊男の選挙区、知床は武部勤の選挙区です。
いずれも、小泉政権下での最有力政治家たちです。
与党の有力政治家たちの地元ばかりが4つのうち3つを占めたのは、偶然でしょうか。
平泉、知床はともかく、石見銀山、紀伊山地がなぜこんなに早く暫定リスト、登録と突き進むことができたのか、 不可解に思ったのは私だけではないようで、暫定リスト登録の透明化が求められ、2006年にようやく公募制が導入されたのです。
しかし、このころから、ユネスコの審査が厳しくなり、日本政府の思うように世界遺産登録ができなくなってしまいました。 こうしてみてみると、「世界遺産登録基準」は、歴史的建造物の評価基準として「客観的なもの」ではない、ということがわかると思います。
むしろきわめて「主観的」なものなのです。 日本の場合をみればよくわかりますが、観光誘致の側面ももっています。
国によっても、基準がまるで違います。 日本ではたいしたことない、と思われるものが、外国では「遺産だ」と騒がれることもあります。 たとえば、日本では200年前のものはさほど古いとはされませが、アメリカなら遺産級です。つまり、世界中の統一基準がないのです。
筆者の経験からすると、世界遺産と呼ばれるもののうち、4分の1は日本の重要文化財級だと思います。 逆に、日本で国宝級の建物は、外国にもっていけば、ほとんど世界遺産と認定されうると思います。
羽黒山五重塔も、瑞巌寺も彦根城も出雲大社も宇佐八幡宮も大浦天主堂も、アジアの小国に持っていけば、よゆうで世界遺産でしょう。
いいかえれば、こうも言えます。世界遺産は「玉石混交」で、政治的な理由により「へぼいもの」も数多く含まれている、ということです。
世界遺産だからといって、遠くの国まで見物に出かけて、しょぼい遺跡を見せられては、がっかりすることこのうえありません。 たとえば、日光東照宮はたしかに価値はありますが、地球の裏側にあったとして、わざわざ見に行くほどのものなのか?
そこで、本採点簿は作られました。
すなわち、全世界の世界遺産を「統一的な基準」で見て、ランク付けしたのです その基準とは「観光的に行く価値がどの程度あるか」というもの。 すぐにでも行けるなら行きたい、というのをAとし、できれば行きたい(10年以内程度)をB、一生のうちに行けるなら行くといいをC、どっちでもいいをD、無理に行かなくてもいい、をEとしました。
情報は、管理人の感想と、旅先で知り合った旅行者からの感想と、各ガイドブックなどの資料に依っています。したがって、統一的な基準を心がけてはいますが、客観的な基準とは成り得てないのは事実です。むしろ主観の集大成であります。
したがって、このランク付けと、遺跡の考古学的価値、歴史的価値は関係ありません。あくまで、旅行者の視点で見て、行って楽しいか、を判断したものにすぎません。
そのあたり、誤解なさらないようにお願い申し上げます。
異論のある方は、ぜひメールにて知らせてほしいです。 そして、この表をなるべく普遍的なものにするお手伝いをお願いできれば、この上ない光栄です。